2021.09.19
マウスピース矯正治療は根気が必要
こんにちは、ホワイトラボ東京院長のスズキです。
最近、マウスピース矯正が手軽にできる、何なら自宅でも自分でできる!というようなPRを良く見かけるようになりました。歯科医師としては身近に矯正治療を感じていただくことができることを嬉しく思いますが、一方でマウスピース矯正は結構繊細で難しい治療になることを認識していただく必要があると思っています。
①患者さんの努力と根気が治療の80%を左右します!
マウスピースはご自身で外すことが容易にできます。そのため何となく自分のペースで装着する程度だと上手く歯が動かないことがあります。決められた時間、決められたペースで交換していくことが非常に重要です。しかもそれが1年以上続く場合もありますので、本当に頑張れる方でないと厳しいです。自信の無い方にはワイヤー矯正をお勧め致します。
②どの矯正でも100%後戻りします!
矯正治療が終わった後、固定装置をしばらく使っていただくのですが、これも矯正期間と同じ〜半永久的に使用していくものになります。マウスピースでもワイヤーでも矯正装置を外した途端に後戻りするように歯が動きます。これを100%食い止めることは難しいのですがなるべく動かないようにするのが固定装置です。何度も再矯正を繰り返している方はこの固定装置を上手く使えていない、もしくは使っていない方が多い様です。ですので矯正後もしばらくは治療を続ける覚悟が必要になります。
③矯正期間中は虫歯や歯肉炎になりやすくなります!
矯正のための装置をつけると歯磨きが難しくなるワイヤーに比べマウスピースはその点清掃性が高いのですが、唾液の流れをある程度止めてしまうので毎回しっかり歯磨きを行う必要があります。ご自身の歯磨きは限界がありますので数ヶ月に1回は必ず歯科医院でクリーニングが必要です。通院が難しく家で郵送などで歯を矯正するという難儀なことを行っている方はとても心配です。
マウスピース矯正はその見た目よりも患者さんの努力と根気が必要になります。自己流で使用してしまったり、持論がある方、不安でいろんなことを調べてしまうような方には向いていない治療です。始める前に何箇所かカウンセリングへ行っていただき、自分に合った場所で治療を行って下さい。また矯正治療には必ずリスクやデメリットもありますので、開始する年齢や歯の移動量、難易度などいくつかの要素が絡み合う治療になります。あまり安易に自宅でできる安価なマウスピース矯正などは選ばないほうが良いのではないかと考えております。